こんにちは、遠藤木型の遠藤です。
先日、数年ぶりに北海道・函館へ出張してきました!
今回の主目的は、函館工業高等専門学校で開催された「日本鋳造工学会 第188回全国講演大会」への参加です。
……と格好よく言ってみましたが、本音を白状すると、「鋳造工学会にわざわざ行くなんて、木型屋として真面目だな!」と思われたい下心が半分くらいありました(笑)。
そして何よりの一番の目的は、ウエノヤマ技研の上野山さんと現地で合流して飲むこと! 地元ならではの素敵なお店を予約していただき、すっかりご馳走になってしまいました。上野山さん、本当にごちそうさまでした!
出発前は完璧だったはずが…!怒涛の忘れ物3連発
今回は金曜日の午後、車で函館に向けて出発しました。
スーツとネクタイを積み、忘れ物がないか入念にチェックして「よし、完璧だ!」と意気揚々とハンドルを握っていました。
ところが、長距離を走り切って函館に着いたとき、ある重大な事実に気づいて血の気が引きました。
「あっ……革靴がない。」
絶対に忘れないようにと、出発直前まで玄関のど真ん中に置いておいたはずの革靴。視界に入りすぎて風景と同化していたのか、見事にそのまま置いてきてしまいました。今頃、自宅の玄関でポツンと主人の帰りを待っていることでしょう……。
しかも追い打ちをかけるように、スーツ用のベルトに亀裂が入っていたことまで思い出してしまい、足元どころか腰回りまで大ピンチに。
函館は土地勘があまりありません。「このまま宿泊先の雨宮館に向かっても、途中に靴屋さんなんてなさそうだし、どうしよう……」と焦りながら、急いでスマホで店舗を検索。
本来のルートから大きく遠回りして、見知らぬ街を走り、なんとか「東京靴流通センター 函館本通り店」に駆け込み、新しい革靴とベルトをまとめて調達!
ただ、ここで転んではただ起きません。「どうせ新調するなら!」と、これからやってくる北海道の冬でも履ける冬用(冬底)の革靴をチョイスしました。実は家に置き忘れた靴は冬用ではなかったので、「結果的に必要な良い買い物ができたんだ」とポジティブに捉えることにします(笑)。

「これで明日の学会の準備は万全だ」と安心して夜を過ごし、迎えた翌朝。
意気揚々と髪をセットしようと鏡の前に立った瞬間、さらに絶望が襲いかかりました。
「……ヘアワックスもない。」
慌てて最寄りのコンビニへ走り、なんとかワックスをゲット。
昔からいつも忘れ物が多い自覚はあるのですが、まさかここまでとは……と自分でも呆れつつ、大ドタバタの末にようやく身だしなみを整え、いざ学会会場へ出発しました!
「型」は長年作ってきたけれど、鋳造の勉強は初めてでした

会場に到着し、受付で名刺を渡すと、担当されていた村瀬鉄工所の方から「あ、遠藤木型さん!」とすぐに声をかけていただきました。初対面だったのですが、「夜はウエノヤマ技研の上野山さんと飲みに行くんですよ」といった世間話もでき、和やかなスタートを切ることができました。わざわざ木型屋が学会に顔を出したことで、少しは「真面目な木型屋だな」と思ってもらえたでしょうか(笑)。
長年木型の世界で生きてきましたが、実は「鋳造そのものの学問」を腰を据えて勉強するのは、今回が初めてでした。
会場を見渡すと、全国からさまざまな会社の方々や、なんと東京大学の先生をはじめとする大学関係者の方々も多数来られていて、「学会ってこういう雰囲気なんだ……!」と、その規模感や熱気に圧倒されました。
講演では、帯広の株式会社進藤鋳工所・進藤さんのお話も拝聴しました。知っている方の登壇を見るのは刺激になりますし、道内の仲間として誇らしい気持ちになります。
学会の発表は専門的で正直難しく、私に理解できたのは初歩的な部分だけでした。それでも「なぜあの不具合(欠陥)ができるのか」という理屈が少し見えてきたのは、大きな収穫です。
特に面白かったのが、3Dプリンターで発泡素材の型を作れる技術です。「なぜ発泡スチロールの型にそのまま注湯してはいけないのか」という理由も腹落ちしました。千数百度の溶湯が触れた瞬間にガスが一気に発生し、行き場を失えば、激しく吹き飛んで破裂してしまうのです。理屈を知ると本当に恐ろしい現象ですよね。塗型剤の役割やガス抜きの重要性が、身に染みて分かりました。
型を作る側の私たちが「流し込む現場で何が起きているのか」を正しく知っておくことは、より安全で確実な型づくりに直結すると痛感しました。
道内の同業者との語らい、そしてこれから
学会の展示スペースでは、栗山町にある「株式会社 日伸 北海道支社」さんが木型の写真を展示されていました。素晴らしい実績の数々に「さすがだな」と圧倒されると同時に、遠藤木型は全国からご依頼をいただけるような実力にはまだまだ及ばないなと、自分の現在地を再確認させられました。
ただ、実際にご挨拶して色々とお話しさせていただく中で、規模や実績は違えど、ものづくりの現場で抱えている悩みや課題には「似たような部分があるのだな」と気づけたことも、非常に大きな収穫でした。
前の社長の時代には、北海道内の木型屋が集まって顔を合わせる機会もありましたが、今は道内の木型屋自体が少なくなり、そうした集まりもなくなってしまいました。
それだけに、今回進藤さんや日伸さんをはじめ、同じ業界の皆さんといろいろなお話ができたことは、技術的な学びと同じくらい有意義で、嬉しい時間でした。
今回学んだことや現場のリアルな課題感は、今後の木型設計や、お客さんである鋳造現場との打ち合わせにしっかり還元していきたいと思います。まだまだ勉強不足ですが、全国から頼られるような、型と鋳造の両面を理解できる木型屋を目指して精進します!
ちなみに、宿泊した「雨宮館」の温泉やお部屋の様子、名物の「ラッキーピエロ」「ハセガワストア(やきとり弁当)」、そして最高だった「谷地頭温泉」の詳しい話は、別の記事にたっぷり書いています。ぜひそちらも覗いてみてください!
函館でご一緒してくださった皆さま、本当にありがとうございました!
公益社団法人 日本鋳造工学会 | 公益社団法人日本鋳造工学会|Japan Foundry Engineering Society
1泊4,000円で源泉掛け流し!高身長(185cm)でも快適だった函館「ホテル雨宮館」カプセル宿泊記 – 遠藤木型 1泊4,000円台で源泉掛け流し温泉付き!函館「ホテル雨宮館」カプセル宿泊レビュー
【函館出張】朝風呂最高!「谷地頭温泉」でととのい&ハセガワストアのやきとり弁当(塩) – 遠藤木型 【函館出張】朝風呂は谷地頭温泉へ!濃厚な茶褐色の湯とハセストのやきとり弁当(塩)


