• 【旭川】ご当地ヒーローがおやきに!「龍神リョウガ焼き」誕生を支えた木型職人の意地と情熱

    皆さま、こんにちは。遠藤木型の遠藤です。

    先日、旭川市内で活動されているご当地ヒーロー「龍神リョウガ」のキッチンカーにお邪魔してきました。お目当ては、黒くて格好良いキッチンカーで販売されている特製のおやき、その名も『リョウガ焼き』です。

    実は、このリョウガ焼きを焼くための焼き型の大元となる「木型」、私たち遠藤木型で製作させていただいたものなのです。

    キッチンカーの窓口で「遠藤木型です」とご挨拶させていただくと、運営元である株式会社From Asの朝倉代表がすぐに気づいてくださり、満面の笑みで喜んでお出迎えしてくれました。本日は、この温かい再会で感じた「モノづくりの真髄」と、リョウガ焼きの誕生秘話について、少し熱く語らせていただきたいと思います。

    複雑なヒーローデザインを「型」に落とし込む壁

    今回のご依頼は、まず龍神リョウガのイラストをいただき、そこから私たちが3Dデータを作成するという工程からスタートしました。

    この要となる3Dデザインについては、「双熊堂本舗」の宇佐美様にお願いいたしました。写真をご覧いただければ分かる通り、マスク特有の鋭利なエッジ、胸元のアーマーの複雑な重なり、そして伝説の武器「カムイブレイド」を構えた全身の造形など、非常に細かく立体的なデザインです。

    そのためデータ作成にあたっては、宇佐美様と「あまり造形を細かくしすぎても、鉄に鋳造する際や、実際に生地を入れて焼いた時に綺麗な形が出ないのではないか」と意見を交わし、仕上がりを逆算しながら何度も綿密な打ち合わせを重ねました。

    平面のイラストから、実際に「おやき」として形になることを見越した最適な立体へと落とし込み、それを鋳造用の木型として削り出す。これには、我々とパートナー様が長年培ってきた精密な加工技術とノウハウが不可欠でした。

    しかし、木型を完璧に仕上げたとしても、私の中に一つの懸念がありました。「型の抜け勾配の計算は緻密に行ったが、実際に現場の火にかけられ、生地が膨張する際の振る舞いまではコントロールしきれない。果たして本当に隅々まで綺麗に焼き上がるのだろうか?」という点です。複雑なデザインの製品化において、製造や外注の壁にぶつかった経験がある設計担当の方なら、このもどかしさに共感いただけるのではないでしょうか。

    異業種の情熱が交差して生まれた「完璧な焼き上がり」

    そんな一抹の不安を抱えながらキッチンカーを訪れ、焼き上がったばかりの『リョウガ焼き』を手渡された瞬間、私の不安は完全に吹き飛びました。

    「見事だ……!」

    思わず声が出ました。マスクの鋭いラインも、細かな凹凸も、隅々までしっかりと生地が入り込み、くっきりと形が出ていたのです。

    これは決して、我々の作った型が良かったからだけではありません。朝倉代表をはじめとする運営の皆さまは、地元の子どもたちにヒーローショーを継続して届けるための活動資金を自ら生み出すべく、このキッチンカーを立ち上げられました。

    その並々ならぬ情熱が、複雑な型に対して「どのような配合の生地を使えば最適に膨らむのか」「どの程度の温度と時間で焼けば細部まで形が出るのか」という圧倒的な試行錯誤を生んだのです。

    今回、私から「焼き台の写真を撮らせてもらっても良いですか?」とお願いしたところ、朝倉代表は「いいですよ!」と快く応じてくださいました。私たちが精魂込めて作った木型から鋳造された鉄の金型がズラリと並び、熱気を帯びて活躍している姿を見たとき、作り手の方の「情熱と技術」と我々のハードウェアが見事に融合したのだと実感し、本当に胸が熱くなりました。

    こだわりの「あずき」

    感動したのは見た目だけではありません。肝心の「味」もまた、驚くべきクオリティでした。四角い型の周りにはみ出ているパリパリの「羽根」の部分と、ふっくらとした本体の食感のコントラストが絶妙なのです。

    現在の中身の具材は【あんこ・チョコ・クリーム】の3種類が用意されており、一緒に楽しめるホットドリンク等も販売されています。子どもたちにはチョコやクリームも大人気とのことですが、その中でも私が強くお勧めしたいのは、王道の「あんこ」です。

    朝倉代表から直接お話を伺うことができたのですが、「あずきが特におすすめで、普通はおやきで使わないような良いものを使っているんですよ」と教えていただきました。

    実際に一口食べると、小豆の豊かな風味と上品な甘さが口いっぱいに広がります。「最高の型には、最高の中身を」。そんな朝倉代表の想いが伝わってくる、まさに絶品の味わいです。

    「図面以上の想い」を形にするために、遠藤木型ができること

    お話の中で、朝倉代表からとても嬉しいお言葉をいただきました。 「作っていただいた木型は今も大切に保管しています。今後さらに活動を広げて、焼き台もどんどん増やしていきたいんです」と。

    私たち遠藤木型が日々向き合っている木型は、普段は工場の奥深くで活躍する「縁の下の力持ち」です。しかし、お客様のビジネスの未来へと繋がり、こうして大切にしていただけることは、職人冥利に尽きます。

    図面やイラストには表れない「最終的にどう使われるのか」「お客様のビジネスがどうなっていきたいのか」を汲み取り、パートナー様とも連携しながら0.1mm単位で調整をご提案していくこと。それが私たちの役割だと考えています。もし、複雑な造形の型作りや外注先とのコミュニケーションでお悩みの方がいらっしゃいましたら、私たちの経験が少しでもビジネスの成長のお役に立てるかもしれません。

    まとめ

    今回、旭川を盛り上げる「龍神リョウガ」のプロジェクトに携わることができたのは、大変光栄なことでした。

    『リョウガ焼き』を販売しているキッチンカーは、旭川市内や近郊の様々なイベントに出店されています。足を運ばれる際は、ぜひ公式SNS等で最新の出店情報をチェックしてみてください。遠藤木型の精密な型技術と、朝倉代表の情熱が織りなす極上のおやきを、ぜひご賞味ください!

    龍神リョウガ公式サイト〜旭川のご当地ヒーロー

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