導入:キックオフミーティング、専門家を驚かせたアンケート結果
こんにちは。株式会社遠藤木型の遠藤です。 全3回でお届けしている、当社の組織改革ドキュメンタリー。いよいよ今回が完結編です。
前回、会社を存続させるための「最低限の生存ライン」が大きく跳ね上がっている現実と、社員の生活を守るために「5年後に今の約2倍の売上」というかつてない目標を掲げた理由をお話ししました。
そして迎えた、全社キックオフミーティングの当日。 業務時間を止め、全社員が集まった緊張感のある空気の中、外部専門家の藤原先生から、事前に行っていた「従業員アンケート」の結果が発表されました。
その結果を見た藤原先生は、「製造業でこんなに前向きな回答は珍しい!」と驚きの声を上げました。 「もし会社の利益が増えたら、何に期待するか?」という質問に対し、なんと「給料のアップ」よりも**「工場の設備や道具の充実」**を望む声が上回ったのです。
「もっと予算を使いたい」社長のジレンマと現場の当事者意識
このアンケート結果は、私にとって驚きであると同時に、深く胸を打たれるものでした。
正直に打ち明けますと、現在の当社の経営は、決して利益がたくさんあって潤沢というわけではありません。インフレの波に抗いながら、なんとかギリギリのところで踏ん張っている状態です。 私自身、「みんながもっと安全に、効率よく働けるように、工場のメンテナンスや新しい設備に本当はもっと予算を使いたい」と、ずっと歯痒い思いを抱えていました。
だからこそ、社員たち自身が「自分だけのお金」ではなく「もっといい仕事をするための環境」を会社に求めてくれたことが、本当に嬉しかったのです。普段の会話からも、みんなが現状の設備に問題意識を持っていることは伝わっていましたが、まさかこれほどまでに強い「当事者意識」を持ってくれているとは思いませんでした。
「社長の私だけでなく、社員たちも会社を良くしたいと同じ方向を向いてくれている。このチームなら、どんな高い壁でも絶対に越えられる」と、確信に変わった瞬間でした。

作業台の山と棚不足を解消せよ。「環境安全チーフ」布施君への期待
みんなの思いが分かった以上、会社としてただ「頑張ろう」という精神論で終わらせるわけにはいきません。働きやすい環境を作るための「仕組み」を即座に動かします。
アンケートで特に声が多かったのが、「作業台が材料で埋まっていて使いにくい」「整理整頓するための棚が不足している」という、具体的な現場の悩みでした。 これを解決するため、私はキックオフの場で、若手社員の布施君を新たな役職である**「環境安全チーフ」**に抜擢することを発表しました。
これからは、業務時間内に明確なルールを設け、全員で「5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」を進めていきます。 キックオフの後、早速みんなで初めての「5S活動」を実施しました。普段使う回数が少ないものを工場の2階に上げ、まずは作業台の周りを徹底的に整理整頓しました。布施君を中心に、社員たちが自ら手を動かして少しずつ工場の景色が変わっていくのを見て、確かな手応えを感じています。
枠を超える相談と、道外からの期待。「気軽な相談」を形にする体制へ
なぜ今、ここまで急ピッチで工場の効率化を進めるのか。それにはもう一つ理由があります。
これまで当社の仕事は北海道内からのお客様がほとんどでしたが、ありがたいことに、近年は道外からの問い合わせも着実に増えてきています。 さらに、私たちが長年専門としてきた「鋳物用木型」の製作依頼だけでなく、**「そちらにNC加工機があるなら、こういう加工もできないか?」**といった、枠を超えたイレギュラーなご相談をいただく機会も多くなりました。
工場環境を改善し、効率を飛躍的に高めることができれば、これまでキャパシティの問題でお断りせざるを得なかった案件や、こうした新しい分野の加工ニーズにも、より柔軟に、力強くお応えできる体制が整います。 私たちの最大の強みである**「図面がなくても形にする圧倒的な対応力」**を、最高の環境で存続・発展させていくための改革なのです。

まとめ:急には変われない。だからこそ「確実な一歩」を積み重ねていく
「このままでは20年持たない」という強烈な危機感から始まった、45歳の経営アップデート。 創業78年の伝統を持つ遠藤木型は今、古い殻を破り、100年企業へ向けて全員参加の「攻め」の経営へと舵を切りました。
もちろん、長年染み付いた環境や習慣が、明日いきなり魔法のように変わるわけではありません。経営陣と社員とでは、会社を取り巻く「ピンチの感覚」にどうしても温度差があるのは当然のことだと思います。 しかし、今回のキックオフミーティングや、そこから始まった日々の小さな改善活動を通じて、私たちが本当に目指したい未来が、少しずつでもみんなに伝わり始めているのではないかと期待しています。 大切なのは、変化から逃げずに、みんなで**「確実な一歩」**を少しずつ積み重ねていくことです。
これを読んでくださっている企業担当者の皆様。 私たちが目指すのは、ただモノを作るだけの業者ではなく、泥臭く改善を続けながら、皆様の「困った」を一緒に解決するパートナーです。
「図面がまだ固まっていないけれど、こんなものを作りたい」 「まずは予算取りのために、概算だけでも出してもらえないか」 「うちのこの部品、NC加工機でどうにかならないか」
そんな時こそ、私たちの出番です。構えずに、まずは「気軽なご相談」としてお問い合わせください。 少しずつ、しかし確実に新しく生まれ変わっていく遠藤木型のチーム力で、皆様の期待を超えるモノづくりをお約束します。
全3回、最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!


