• 冬の荒波と極上水風呂。神恵内「かもえない竜神温泉」と余市への休日ドライブ

    冬の北海道、荒れ狂う日本海へのドライブ

    2月23日、札幌から1時間40分ほど車を走らせて、神恵内村の「かもえない竜神温泉」に行ってきました。

    この日の日本海は強風が吹き荒れ、今まで見たことがないくらい激しく海が荒れていました。道中、弁天島付近を通りかかった際、その自然の力強い迫力に思わず車を停めて外へ。吹き飛ばされそうな強風と、岩肌に打ち付けて白く砕ける荒波を目の当たりにして、北海道の冬の厳しさと雄大さを肌で感じました。荒天の中を走り抜け、少し寄り道をして目的地の温泉へ到着しました。

    リニューアルされた館内とサステナブルな施設設計

    地中熱ヒートポンプシステムにみる経営的視点への共感

    リニューアルして日も浅い館内はとても清潔感があります。ふと見ると、館内には「地中熱利用ヒートポンプシステム」の稼働状況を示すモニターが設置されていました。深さ100mの地中熱を熱源として利用し、施設の空調や駐車場の融雪をまかなっているそうです。

    過酷な自然環境の中でサステナブルを目指すエコな設計思想には、経営の観点からも非常に共感するものがあります。

    かつての名湯「998」とは異なる、新しい竜神温泉の魅力

    源泉かけ流しと循環ろ過が織りなす優しい「熱の湯」

    いざ大浴場へ。浴槽は43度くらいの内風呂が一ヶ所という潔い造りです。泉質は「ナトリウムー塩化物温泉(低張性弱アルカリ性温泉)」で、pHは8.3。源泉かけ流しと循環ろ過の併用型で、毎分60リットルの新鮮な源泉が供給されています。

    神恵内の温泉といえば、2020年に閉館した「リフレッシュプラザ998」を思い出す方も多いのではないでしょうか。実は私も、あの海水の1.3倍とも言われる特殊な超高濃度の強塩泉が好きで、たまに無性に入りたくなっては何度か足を運んでいました。

    しかし、今回の「かもえない竜神温泉」は、かつてあった「温泉竜神荘」の源泉を再利用しており、全く別の優しい泉質です。「あの998のガツンとくる強烈なしょっぱさ」を期待して行くと拍子抜けしてしまうので、そこは全く別の温泉だと割り切って行くのが良いでしょう。

    とはいえ、塩分が肌を優しくコーティングして熱を逃がさない「熱の湯」であり、お湯の質としてはまあまあ良い感じです。荒れ狂う日本海を窓越しに一望できるロケーションは素晴らしいですね。

    サウナ好きを唸らせる実力と、海沿いならではの合理的な判断

    あぐらが欠ける広い座面と、12度のストロングな極上水風呂

    サウナ室は15人ぐらいは入れそうな広さで、温度は93度。オートロウリュ完備で湿度もしっかりあります。そして個人的に嬉しかったのが、座面が広くてしっかり「あぐら」をかけること。足を上げて全身を均一に温めながらリラックスできるこの造りは、サウナ好きにとってかなりポイントが高いです。総合してサウナも「まあまあ良い」という評価です。

    ここで特筆すべきは水風呂でしょう。水温12度ぐらいでキンキンに冷えたストロングスタイル。最初は思わず声が出そうになりますが、慣れるとこれがたまらなく気持ちいい。この水風呂のセッティングは間違いなく「最高」でした。

    厳しい環境下で施設を維持するための「外気浴なし」という選択

    一方で、ととのいスペースは「普通かな」という印象です。露天風呂がないため外気浴はできず、水風呂の後は室内のイス(5脚)で休むことになります。イスの間隔が少し狭いため、混んでいると隣が気になりそうですが、今回は空いていたので助かりました。

    とはいえ、冬の強風や塩害をもろに受ける海沿いの立地を考えると、外に出られない設計も施設を長く維持するための冷静な判断として納得はできます。すっかり心身が整ったあと、館内の売店で竜神温泉オリジナルのサウナハットを発見。2,000円とお手頃でサイズ感もばっちりだったので、思わず購入しました。

    余市・柿崎商店での夕食と、価格改定に見る地域経済のリアル

    絶品のルビークラブ丼とインバウンド需要の波及

    帰路につく途中、食事をとりに余市の名店「柿崎商店」へ立ち寄りました。注文したのは、カニとイクラがたっぷりのった「ルビークラブ丼」です。

    味は変わらず美味しいのですが、驚いたのはその価格。10年前なら1,000円程度で食べられた記憶があるのですが、今回は2,380円になっていました。昨今の物価高騰に加え、近隣のニセコエリアを中心としたインバウンド需要の波及が、こうした地元のお店にも色濃く影響を与えているのでしょう。

    経営戦略としての納得感と、いち消費者としての本音

    経営的な視点で見れば、需要に合わせて単価を上げるのは必然の戦略です。しかし、昔は「安くて美味しいからわざわざ行く」という大衆的なお店だっただけに、すっかり贅沢なお店になってしまったな、というのが正直な感想です。そろそろ、新しく開拓する「安くて美味しい地元のお店」を探さないといけないなと考えさせられました。

    まとめ:人間らしさを取り戻し、また明日から走るために

    地元の空気に触れ、自分に正直な目線で温泉やサウナ、そして食と向き合い、疲れをリセットする。人間らしさを取り戻せる、とても良い休日になりました。また明日から、しっかりと走っていけそうです。

    かもえない竜神温泉 | 北海道神恵内村(Kamoenai Village)

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