• 【第1回】「このままでは20年持たない」創業78年の遠藤木型が挑む、自己否定と経営アップデート

    導入:社長就任7年目。「良くなってきた」今だからこそ抱いた危機感

    こんにちは。株式会社遠藤木型の代表、遠藤俊一郎です。 北海道で木型製作の会社を営み、創業から78年が経ちました。

    私自身が社長に就任してから今年で7年目に入ります。これまで地道に改善を重ねてきた結果、ありがたいことに会社の雰囲気も少しずつ良くなり、業績も上向いてきました。

    しかし、その「順調さ」の裏側で、私の中には誰にも言えない**「静かな危機感」**が膨らみ続けていたのです。

    コロナ禍を経て、世の中の常識は一変しました。さらに追い討ちをかけるような物価高騰の波。ジワジワと上がり続ける様々なコストを肌で感じるたび、「これまでのやり方の延長線上では、この荒波を乗り越えられないかもしれない」という恐怖に近い感情を抱くようになっていました。

    45歳の決断。残り20〜30年を走り抜くための「経営アップデート」

    現在、私は45歳です。 経営者としてこれから20年、30年と遠藤木型の舵を取り、次の世代へしっかりとバトンを渡していく責任があります。

    「会社が良くなってきた」といっても、それはあくまで過去の延長線上での話です。社会のスピードが劇的に加速している今、過去の成功体験にすがりついていては、遠藤木型が100年企業を迎えることは到底できません。

    「会社を変える前に、まずは自分自身の『経営のOS』を根本からアップデートしなければならない」

    そう強く感じた私は、これまでの自分のやり方を一度「自己否定」し、外の風(客観的な視点)を会社に入れる決断をしました。

    「何をしてくれるか分からない」外部支援への躊躇と、その打破

    「客観的な視点を入れる」と言っても、最初からスムーズに行動できたわけではありません。 正直に告白しますと、私はこれまで「外部のコンサルタントや専門家にお願いする」ということに対して、かなり二の足を踏んでいました。

    「高い費用を払って、結局うちの業界に合わない一般論を言われたらどうしよう」 「何をしてくれるか分からない相手に、安くはないお金は払えない」

    これが、多くの中小企業経営者が抱える本音ではないでしょうか。私も全く同じでした。

    しかし、そんな私の背中を押してくれたのが、信用保証協会の**「専門家派遣制度」**でした。この制度を活用すれば、「無料」で中小企業診断士の先生に会社を見ていただくことができます。 「それなら会社に金銭的なリスクはない。まずはやってみよう」と考え、昨年の夏から藤原先生という専門家を社内に招き入れることにしました。ここから、遠藤木型の本当の改革がスタートします。

    「できない」を認めた先に見えた、自分たちの本当の強み

    専門家の先生を交え、まずは「売上を作るための新しい挑戦」について議論を始めました。 当初、先生からは「大型の動物オブジェを作って売ろう」という案が出ました。しかし、実際に試算してみるとすぐに壁にぶつかります。デザインの外注費や、仕上げの塗装にかかるコストを計算すると、「これでは他社にも頼らなくてはいけなくてコストがかかる」という現実を突きつけられました。

    経営者として「今の自分たちにはできない」と認めるのは勇気が要ります。しかし、ここで無理をして進めば傷口を広げるだけです。 そこで私たちは視点を180度変えました。

    「誰かに外注しなくても、自分たちの技術(木型)だけで完結でき、他社に真似できないものは何か?」

    そこで浮上したのが、社員の西山さんが製作を進めていた**「北海道地形モデル(立体地図)」でした。 これを巨大化させれば、塗装などの後加工に頼らず、私たちの「削り出す技術」**という圧倒的な強みだけで勝負ができます。

    自分たちの足元にあった「本当の宝」を再認識した瞬間でした。

    まとめ:自分たちの現在地を知る。それが100年企業への第一歩

    専門家という「外部の目」を入れたことで、私たちは自分たちの「できないこと」と「本当に得意なこと」を客観的に把握することができました。

    「よし、この強みを活かして攻めていこう」 そう手応えを感じた矢先。私たちは、会社を取り巻く「インフレ」というさらに巨大な現実と向き合うことになります。

    次回は、私たちが今後の目標を設定する際に直面した**「背筋が凍るような厳しい現実」と、私が全社員に向けて「かつてない高い旗」**を掲げた真意についてお話しします。

    企業情報 – 遠藤木型 会社概要(沿革・主要設備) | 株式会社遠藤木型(札幌市)

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